売る人 買う人
昨日は、町内イベントに野菜生産者として出店し、生産者から小売業者になってきた
この小売という世界に私はとても興味がある
小売業とは、売ろうとしている商品を仕入れてそれを消費者に売る業のこと
百貨店、スーパーなどが当たる
でも私は
どちらかと言うと、八百屋や飲食業に興味がある
自分で作ったものを、人に売りたいのである
野菜、野菜を使ったパン、野菜を使ったレストラン、野菜を使ったお菓子
まぁいろいろ想像を膨らませて楽しんでいる
ところで昨日は、自分で作った野菜をお客様に売るという機会だった
モノづくりにこだわる職人さんがいるように、農産物にもこだわりをもってそれぞれの農家さんも生産していると思う
だけど、私は現実にはなかなか思うような仕事が出来なくて悩む時もあるけど
それでもなお、食べてくれる人の姿を思い今の自分に出来る精一杯のこだわった野菜を作る
次に、どこにでも売っている野菜をどのように工夫したら買って貰えるのかを考える
野菜を買おうと思う人の心理を考えて
環境も考えて・・・
みんなに買ってもらうのは不可能なので、私のお店に目が止まった人が、野菜を手にして、食べてみたいと思うお店作りをする。
それは何かを試行錯誤しながら販売する
どこのお店に行っても、それにはどんな工夫がされているのかを勉強する
私たちの生活にはとてつもなく豊かな、物や食が、情報がありふれている
その中から選ばれる野菜を提供する方法を考える。
それが簡単な事ではないからまた悩むし、売れたら嬉しいし、お客様の反応が良かったら次も頑張るよ・・・というモチベーションになる。
では、買う人は?
買う人はどんな心理状態で買い物に行くのかな。
それは千差万別で、大まかな括りでしか表すことが出来ないけど・・・
・とにかく値段が安いもの
・少し高くても長く使えるもの(保存がきくもの)
・質を重視
・体にいいもの
・時短できるもの
・綺麗なもの
・形が良いもの
・自分の嗜好に合っているもの
など
そんな事を思いながら商品探しをしていると思う
買う人と売る人・・・
生活の中での必須行動。
ところで
私は買う人の思いや、お客様の利益のための方法を考えて売るけど、買う人は作っている人の思いや物語は知っているだろうか・・・と疑問に思った
生産者がどんな人で、どんなこだわりを持って、どんな人に食べてもらいたいかを知っているだろうか
そんな事は関係ないと言う人もいるだろうか
でも、こだわるという事は思いを込めて作っている、大切な商品
それを粗末に扱わられると嫌な気分になるのは皆同じだと思う
どんな環境で作られて、どんな資材が食べ物に使われて、どんな物が収穫されて私たちの口に入るのかを知ることが出来た上で取捨選択して購入する
(消費者と生産者の信頼の元購入すること、それが「安心安全」なということではないかと思う)
だから買う人の気持ちと、売る人の思いがマッチングした時の喜びは計り知れない。
とにかく安い物を求めている時は、生産者の思いはしらなくとも安ければきっと買うだろう
少々高くても安心安全な野菜を求めている時は、どんな生産者が作ってどんな環境で育った農産物かを知る事が出来る野菜を選ぶだろう
質を重視している時は、収穫されてからも人の手間暇かけて綺麗なものがお店に並ぶまでの人件費が値段に加算されている事を知った上で、また自分が1度食べた上で買うものを選ぶだろう
形が綺麗なものを選ぶ人は、綺麗なものがある裏には、曲がったりして廃棄される物もあると言うことを知っているだろう
なぜ安い物があるのか、
なぜ高い物があるのか
なぜとても綺麗な野菜があるのか
なぜすぐ痛まないのか
なぜこれを買うのか
この物には、生産者や売る人のどんな思いが込められているのか、どこからやって来てここにあるのか、それにはどのくらいの人の手がかかりどのくらいのお金がかかっているのか
そんな事を知りながらスーパーや八百屋に行って野菜を手に取ってもらえる
そんな話を頭の片隅に置きながら料理をして食卓に並べて、家族の会話にも農業の話がでる
知る、理解する、共感する
だから地元で取れる野菜や食べ物は新鮮、安心、そして美味しい!だからまた買いたいなと思ってもらえる
そんなお店を私はやってみたい
そう、まったくのマニアックなお店。
売る人と買う人が笑顔で楽しそうに交流しながら野菜を選んで買っていく人と感謝しながら売る人
そんな当たり前の、
普通の
でも売る人も買う人も
いつも笑顔になる
そんなお店を夢見て・・・